
Dr.SANTAの物流コンサルティングを導入したお客様に、その導入効果などについてインタビューしました。
今回は創業80年を超える老舗の出版社、光文書院様の長谷川社長へ直接お話をお伺いしました。長谷川社長は物流定例会にも毎回出席され、熱心に物流改革に取り組まれています。
株式会社光文書院様について
―まず最初に、御社についてお聞かせください。
当社は昭和3年に創業されました。
最初は一般教養・実用書を取り扱っていましたが、昭和22年より小学校の教材に参入しました。
株式会社光文書院様 基本データ
創業 | 1928年 |
---|---|
資本金 | 4,300万円 |
従業員数 | 74名 |
売上高 | 80億円 |
事業内容 | 小学校用教科書・副読本,小学校用図書教材,教育書,小学校用教材・教具の開発・出版 |
物流 | 光文図書株式会社(関連会社) |
―具体的にはどのような教材ですか?
教科書に準拠した教材です。例えば学習の達成状況を評価するためのテスト教材や、漢字ドリル・計算ドリルといった授業中に使う習熟教材等がメインです。
元々は教員が自分で作っていたガリ版印刷教材でしたが、「自分たちで作るのは手に負えない、間に合わない」という声が拡がり、そのニーズに対応しました。
学校の授業で使う教材はほぼ全部扱っています。また、書道セット、裁縫セット、算数セットといった教科書に合わせた教具も扱っています。
※光文書院様の商品は、図書教材・教材教具とカテゴリーが分かれる。種類が非常に多く、在庫の取り扱いも一苦労とのこと。
物流体制と、事業における物流の位置付けについて
―御社の物流体制についてお聞かせください。
神奈川県にある関連会社の光文図書株式会社「大和流通センター」で、製造から保管、受注、出荷までを行っています。ストック倉庫は3カ所あります。流通は販売代理店経由での納品が主流ですが、全国2万2000校の小学校に直送することもあります。
―事業における物流の重要度についてはいかがでしょうか?
とても高いと言えます。
そもそも出版業界では自社で流通機能を保有している企業は非常に珍しい。
それは、小学校ならではの、特色のあるニーズに対応した結果です。
「転校」「紛失」そのようなシーンにおいて、教材は1つ単位で必要になります。
日常の中で1部単位のニーズが発生します。そんなときに「絶版」とは言えません。
さらに、スピードも求められます。書店を経由した一般のルートでは2週間はかかってしまう。教材が無いとその間授業にならない。製造から物流まで自社で行えれば、最短で届けることができます。
私たちが誇りに思っているのは、「民による公共」であること。それを目指していること。
教科書には教科書無償給与制度があり、予備を含めた供給をする義務がありますが、我々の扱っている教材にはその義務はありません。義務は無くても、やるということ。それが公共の意識です。
先生方が頼りにしてくれる教材を、いち早く確実に届けるということ。とても重要なことです。
コンサルティング前の状況
―Dr.SANTAに依頼する前は、どのように物流体制を構築し運用していましたか?
昭和40年、当時の常務が物流の仕組みを作りました。それが今の基盤になっています。
そんな古い時代からのやり方を時代に応じて変化をさせてきましたが、時代に合わなくなったやり方も残っていました。
次の代では、ITに強い担当者の牽引により、システム化・コンピュータ化、機械化をしました。システムは自社で内製化してきました。
教材は新学期開始からの1週間に集中して受注を頂くため、平常時の何倍もの物流要員を確保し、最大出荷量に対応する体制が必要です。いわば、当社の出荷業務を全く知らない人員を、いかにうまく活用するかが物流のポイントになります。当社のような業種ではお手本となる物流事例が無く、独自につくらなければならない状況でした。当時はコンサルもおらず、自分たちの感覚が頼りでした。
導入の経緯
―「物流改善コンサルティング」の導入した経緯を教えてください。
それまで何とかやっていましたが、平成20年度に大増刷があり、出荷が遅れ窮地に追い込まれました。
一発勝負で、「出荷出来ないと他に切り替えられる」仕事。非常にシビアな状況で、製造から物流がパニック状態に。根本から見直さなければならないと考え、外部のコンサルティングを導入しました。
Dr.SANTAに決めた理由
―他にも物流改善を行うコンサルティング会社はありますが、Dr.SANTAに依頼を決めた理由は何ですか?
実は、3社調べて選定しました。
他の物流コンサルタントは、威張っている人が多かった。しかも料金が非常に高い。
また、巨大倉庫を操るような人たちで、大手指向でした。
出てきたのは“非常に高価なシステムを構築する”というような話。
上から目線の世界で、「うちとは違う、適合しない」と思いました。
規模感もそうですが、自社内で今まで物流を切り盛りしてきた自負がある“自社内の物流メンバー”とうまくやっていける感覚が無かった。反発を生むだろうなと。
そして、Dr.SANTAさんに辿り着きました。
まず、SANTAさんは威張ってない。威張っていると社内の物流メンバーがついていかない。
そのため、一緒にやっていけると思いました。
元々当社の役員が勤務していた会社での評判も契約の後押しとなりました。
コスト面について
―コンサルティング費用は小さくない負担と思いますが、この点についてはご契約時どのように思われましたか?
実は、他社に提示された額は、SANTAさんの提示額とは桁が違っていました。非常に高かった。
それに比べるとSANTAさんの費用はリーズナブルだった。
ただし、他と比べて安いからといって導入への障壁が無いとは限りません。それまでは“物流は自社内でやる”という思考が社内にあり、外部のコンサルタントに1円出すのも抵抗があったのは事実です。
結果的に導入して大幅なコストダウンに繋がり、成果を上げて満足しています。
導入効果と改善への取り組み内容
―Dr.SANTAの物流コンサルティングを導入して効果は上がりましたか?
まず、出荷ですが、過去最大の1日の出荷量を達成し、これを乗り越える事が出来ました。
数字としては150%です。これは驚異的な数字です。
それから現在まで2年半程、継続してコンサルティングに入ってもらっていますが、コスト削減と誤送率の改善を達成出来ました。その間負担したコンサル料と比較すると、何倍もの費用対効果がありました。
―どのような取り組みをしたのですか?
最初に、出荷の「見える化」を行ないました。
実はそれまで、“1日に最大でどれだけ出荷する能力があるのか?”ということすらわからなかったのです。
そんな状況を、SANTAさんはあらゆる業務を数値に落としていき、まさに「見える化」してくれた。
数字が見えれば次には目標を立てる事ができます。そうすれば改善効果も“見えて”きます。
―改善の現場では、どのような指導がありましたか?
最初はコンサルされているという事の実感がわかなかった。コンサルは「こうしなさい」と指示を出すイメージがあったが、SANTAさんのやり方は、「皆さんで意見を出し合い、皆さんで物流をつくっていく」というスタイル。問題は見える化し、現場から意見を引き出して、より良くしていくスタイルでした。
例えばSANTAさんは現場を見て、こんなアドバイスをくれました。
- 物流業務の体制を見直してはどうか?
- 在庫の置き方を変えたらどうか?
- 繁忙期の出荷人員教育を強化したらどうか?
- 24時間体制の出荷を検討したらどうか?
- 運送会社の集約をしたらどうか?
- 物流システムを構築したらどうか? ・・・等々。
それまで自分たちでは当たり前で「これが当たり前だ」「変えられない」そう思っていたものを、ゼロベースで指摘してくれた。
―その結果、具体的にはどのような成果が出ましたか?
やってすぐ決定的に成果が出たのは「運賃」の削減。
それまでは、運賃の相場を知りませんでした。
運賃の「見える化」をする過程で、相場よりずっと高い運賃を支払っていた運送業者等を整理できました。
さらに、複数の運送業者をうまく使い分け最適化する事で、運賃をぐっと安く抑えるよう物流網を構築してくれた。
また、内部で使っていた梱包業者が時給換算をすると“相場をかなり逸脱した高い値段”だったと知ることができ、取引を止めました。それだけでもコンサルティングを依頼した価値は、十二分に得られました。
運賃以外にも“誤送率”の改善についても大きな成果を上げました。
そもそも今の誤送率は低いのか高いのか?他を知らない我々にはそれすらもわかりませんでした。
基準となる数字を知っていること、そして改善方法を知っていること・提案できること、これが出来るのは多くの事例を経験し、情報を持っているコンサルタントだから。今まで自社でやってきたとは言え、我々が経験したのは1社。100社を見てきたコンサルタントとでは持っている情報量が大きく違うと感じています。
また、物流改善は、物流という一部門の問題ではなく“会社全体の経営の問題”だということを痛感しています。光文書院本社と物流部門は別会社になっています。そのためSANTAさんが取り組んでくれる“見える化”をすることは、情報の行き来が不十分だった会社間の風通しを良くしてくれる。
物流問題は物流部門だけでなく、営業とのすり合わせもあります。
部門間をまたいだ全社での改善・最適化、人材配置等、経営の問題を解決していける。そこに価値を感じています。
Dr.SANTAの良い点
―Dr.SANTAのコンサルティングで、良いと思う所はどんな所でしょうか?
まず、上から目線の偉そうなコンサルタントではないこと。
自社内のメンバーと一緒になって物流改善に取り組んでくれる姿勢はやりやすいと思います。
物流改善の知識や経験が豊富で、成果を出してくれるのは当然ですが、ポイントをひとつあげるとすると「スピード感」について社内でも定評があります。契約してから判ったのですが、ITに強い。パソコンをその場で使い、エクセルの関数でどんどん分析していく。展開が早いです。エクセルの効果的な使い方を色々と教えてくれるので、日頃の仕事にも生きています。
外部の物流コンサルタントを活用するコツ
―外部の物流コンサルタントを活用するコツがあればお聞かせください。
これは当社の場合なので常に当てはまるかはわかりませんが、経営トップがきちんと改善への意志を示し、リーダーシップを発揮することが大切だと感じています。
社内の物流メンバーは現場のプロです。だから問題があったとき、基本的には外部から指摘されて気づくのは面白くないでしょう。慣れ親しんできたやり方を変えることへの反発もあります。
うまくコンサルタントを使えなければ、何の成果も出せずコンサルタントが潰されて終わってしまう。
そんなとき、トップがリーダーシップを発揮できれば改善出来ます。今までは言いにくかったことも「専門家がこう言っているから」という伝え方なら言いやすくなります。
そのような利用の仕方が出来るのも、外部ならではだと思います。
Dr.SANTAが向いていると思う会社
―Dr.SANTAの物流改善コンサルティングは、どんな会社に向いていると思いますか?
少なくとも、“押し付け型のコンサルタントとは相性が悪い会社”、“一般的な物流の知識が不足している会社”、“社内の取り組みだけでは物流改善が進まない会社”、“現状を数値ベースで把握できていない(見える化が出来ていない)会社”、等は向いていると思います。
今後期待すること
―今後Dr.SANTAに期待することをお聞かせください。
まだまだ見つかっていない“見える化”をやっていきたい。
「受注」「在庫」といった分野でも取り組みをしていきたい。
これからも改善に協力して欲しいと思っています。
左:長谷川社長、右:Dr.SANTA(平野太三)
―お忙しい中取材のご協力、誠にありがとうございました。
(取材日:2010年11月26日/取材者:ライター上田)
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