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物流改善情報館

【物流作業改革】第43回 不要な作業の廃止

2013年3月18日

物流現場には、やらなくても良い作業が数多くある。やらなくても良いにもかかわらず、過去からずっと続けているので、疑問も持たずにやっている事はないだろうか。例えば、毎月全品棚卸をしていた企業があったとしよう。物流改革の視点では、「何故毎月棚卸が必要なのか」と考える。そもそも棚卸とは、「実在庫とコンピュータ在庫があっているか確認することが目的」であると言える。正確な数字が把握できなければ、「欠品になりお客様に迷惑をかける」「在庫が無いと思い、発注して過剰在庫になる」等のデメリットが発生するからである。では、在庫数があっていれば毎月の棚卸が不要になるのではないだろうか?棚卸をするにも人件費が発生するため、情物が一致していればやる必要が無いのである。棚卸が盗難防止の意識付けという企業もあるため、色々な側面で考えて欲しい。
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他にも不要な物流作業はある。「品薄商品の在庫状況がわからないので、受注時に物流現場に確認に行く」。これは不要な作業では無いだろうか。「物流現場に確認に行く」ことは、お客様に在庫の有無を伝達する一つの手段である。先ほど述べた「在庫精度の向上(コンピュータ在庫と実在庫の差異を極小化)」をし、受注時にコンピュータで在庫の有無を判断できれば現場に確認に行かなくても良いのである。その対策として品薄商品の在庫保有日数の増加や、出荷極小品薄商品の廃盤推進をすれば、現場在庫確認を不要にすることができる。
もうひとつ事例を紹介する。複数個口の出荷ダンボールに「商品名を記入」「梱包明細を貼る」企業があったとしよう。この作業の目的は、何なのであろうか。10年以上前には、確かにお客様に喜んでもらえる作業であった。この梱包明細があればお客様側の物流では、入荷した時に急ぎの商品を優先して作業をし、他の商品は後で処理することができる。お客様が発注をする時、急ぎの発注と急がない発注が混在していた時代のことである。しかし、時代の経過とともにすべての企業が在庫を削減する方針に変わった。よって、発注する商品はすべて急ぎのものになり、入荷受入れの優先順序が、ほぼ無くなってしまったのである。この様なお客様ニーズの変遷を把握していなければ、過剰サービスになり結局は物流コスト増になってしまうのである。
以上の様に、何故この作業が必要なのかをよく精査して欲しい。昔からのやり方に流されていたのでは、疑問が生まれない。「他のやり方があるはずだ!」という意識で取り組めば、不要な作業は必ず発見できるはずである。

このコラムは大塚商会様のERPナビにて連載中のコラムを並行掲載しているものです。

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