【物流クレーム改革】第37回 クレーム管理表の活用
2013年3月18日
物流クレームは全社で取り組むべき課題であるため、「経営会議」や「全社物流プロジェクト」で毎月進捗報告をする必要がある。全社会議では、具体的な対策を検討する必要が無いため、現象別物流クレーム発生件数の推移状況がわかるものであれば良い。その資料が「クレーム管理表」である。
この表に月別の「重点改善実施事項」を付け加えれば、改善の進捗状況がわかる。例えば、「未出荷対策を4月から実施、品番違い対策を5月から実施」する計画であったとしよう。その物流クレーム結果が減少傾向にあれば物流クレーム改革は推進していることがわかる。逆に途中までは減少傾向であったが、その後増加傾向になっていれば「その原因分析をした上で、物流クレームが増加した理由と対策を説明する」必要が出てくる。新たな発生原因による物流クレームであれば、新対策をたてれば良い。しかし、従来の対策でそのクレームが抑制されるものであった場合は、対策が不充分なのか、対策が定着化できていないのかどちらかになる。これを別資料で添付して的確に説明できれば5分で物流クレーム報告は終わる。全体の会議は、「詳細の分析や検討」を行うものにしてはいけない。「全体の中でしか検討できない事、または、全体で決めるべき事」を議論する場にして欲しい。
この様な方法で現状を数値化し、目標設定をしていれば物流改革の進行度合が把握できる。改善が進んでいれば、「物流部門」「物流グループ」の評価ができる。評価をしてもらえれば物流部門全体のモチベーションが上がり、仕事・改革のやり甲斐が出てくる。「自分たちで物流を見える化し、原因分析をし、改善目標をたて、効果をあげ、会社から評価してもらえる」このサイクルが非常に重要であると思う。毎日の業務に流されているだけの物流とは雲泥の差である。皆様の企業でもこのやり方を是非推進して頂きたい。
今回で「物流クレーム改革」の執筆は終了とする。次回から「物流作業改革」の執筆に入る。
このコラムは大塚商会様のERPナビにて連載中のコラムを並行掲載しているものです。
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