物流改善 物流作業改革の進め方セミナーレポート 11月10日
2016年11月27日
“物流センターで深刻になってきている問題”
延べ1万人以上、物流現場の改善方法を教えてきた、物流コンサルタントの平野さん。全国の物流現場を見て、ここ最近特に気になっていることがある、それは!?
・人が集まらない。
・現場に高齢者しか残っていない。
・その人が辞めてしまったら誰もいなくなってしまう。
・良い人を集めるにはどうすれば良いのか?
・教育はどうすれば良いのか?
・パートさんと社員の比率をどうすれば良いのか?
『そんな状況の中でセンター長が困っていること』
・メンバーがルールを守らない
・メンバーのモチベーションが全然あがらない
・だけど、人が集まらないから辞められては困る
・だから、強く注意することができない
そういった物流センター全体の問題を改善する必要がある。
“物流作業を改善すると相乗効果が生まれる”
過剰在庫になっているせいで、倉庫の中がいっぱい。ぎゅうぎゅうの倉庫の中から、発注商品を探すのは大変。倉庫の中を整頓させることが大切で、作業の効率を良くするために、ピッキング効率を優先させた在庫の配置に変えることも重要となる。
出荷の時間を短縮させることで、早い時間に運送会社に荷渡しすることが可能になる。すると、遅い時間の出荷と比べ運送会社の選択肢が広がる。こういった相乗効果の第一歩として期待することが出来る。
“作業の時間のデータ収集で現場が変わる”
物流センターには必要ない作業がごろごろしている。意味がない作業があれば、本当に必要な作業なのか検討することが重要。
①不要な作業の撲滅
(例)
●手書きで明細を作成
【やっている理由】昔からやっているから。
この作業をやる必要があるのか改めて考えてみると…
→手間がかかっているけど、本当にお客さん見ているの?必要なの?
→お客さんが見てなかったら、その作業やらなくてもいいですよね。
(例)
●毎月棚卸しをやっている
【やっている理由】実在庫とシステム在庫のずれがでるから。
この作業を毎月やる必要があるのか改めて考えてみると…
→実在庫とシステム在庫のズレがなくなれば、棚卸を毎月やらなくてもいいですよね。
但し、別の意味(盗難防止の抑止効果等)の理由があれば別です。
②役割分担の適正化
現場では、社員でなければできない業務がある。例えば、他部署との会議にパートさんが出席することはできない。そのため、他部署との連携はとり辛くなる。社員とパートの役割分担を適正化すると同時に、社員がパートさんをマネージメントできるような環境をつくる。
③作業効率&稼働率の向上
ピッキング作業中の無駄をなくす。例えば、ピッキング作業中に伝票を待っている時間があれば、それは無駄な時間といえる。作業時間を測定し、データをとることで無駄が見えてくる。逆に言えば、作業時間のデータがなければ、出来ているのか出来ていないのかさえもわからない。
“あいさつでわかるコミュニケーション指数”
メンバー同士のコミュニケーションができていないと、伝えたことが伝わらない。伝わらないと、守るべきことを守れない。つまり、物流改善が全く進まなくなってしまう。これを改善させるための最初の一歩は”センター長のほうから毎日、あいさつをし続ける”こと。すると大抵の場合、少しずつあいさつができるようになる。
「小学校教育みたいですけど、非常に重要なことです。」と平野さんは言う。挨拶ができるようになるとコミュニケーションも良くなる。すると問題提起が話し合えるようになる。
パートさんや現場で働いている人が一番現場のことを良く知っている。パートさんや若手社員さんたちが、主体性を持って問題改善について話し合える環境をつくることが重要。
“物流作業改革のステップ”
ステップ1
・挨拶ができる
・問題提起が話し合える環境にする
・物流改善も仕事という認識を主要メンバーが持つ
ステップ2
・改善目標をたて、改善実行を行なう
・成果が検証できた場合は、グループ別の褒美を行なう
ステップ3
・個人評価制度を導入する
“全国の物流現場を改善するために”
全国の物流現場を改善するための物流現場の無料診断で物流現場の問題点が、明確になります。
ライター紹介:かわしま
1973年東京生まれ 専門性の高いサービスに特化した記事を数多く執筆している。
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